日本のナイアガラ――大地が裂けて生まれた奇跡「原尻の滝(はらじりのたき)」

青空の下に広がる原尻の滝。「日本のナイアガラ」と呼ばれる大分県豊後大野市の迫力ある滝

大分県豊後大野市(ぶんごおおのし)にある原尻の滝(はらじりのたき)は、
幅約120メートル、高さ約20メートルを誇る、日本屈指の大瀑布です。

そのスケールから「日本のナイアガラ」とも称され、
目の前いっぱいに広がる水のカーテンは、初めて訪れる人の心を一瞬で奪います。

ただ美しいだけではない――
原尻の滝は、大地の成り立ち・人々の暮らし・神への祈りが重なり合う、
特別な物語を持つ場所です。

目次

阿蘇の火山が生んだ大地の裂け目――原尻の滝(はらじりのたき)の成り立ち

原尻の滝(大分県豊後大野市緒方町原尻410)は、約9万年前に起きた阿蘇火山(あそかざん)の巨大噴火によって生まれました。

原尻の滝(はらじりのたき)を右方向から望む風景。青空と白い雲を背景に、阿蘇火山の噴火で生まれた大分県豊後大野市の壮大な滝が広がる


噴出した火砕流(かさいりゅう)がこの地一帯を覆い、その後、長い年月をかけて川が浸食(しんしょく)することで、
現在のような断崖と滝の形がつくられたと考えられています。

つまり原尻の滝は、
一瞬の大噴火と、気の遠くなるような時間の積み重ねが生んだ自然遺産

滝の上を歩くと、足元には溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)と呼ばれる火山の痕跡がはっきりと残り、
この場所が「生きた大地」であることを実感できます。

昔の人々と原尻の滝――暮らしを支えた水の恵み

上空から見下ろした原尻の滝と滝つぼ。豊富な水量が広がる川と水面が写り、古くから人々の暮らしを支えてきた水の恵みを感じられる景観

原尻の滝は、古くから地域の生活を支える命の水でもありました。
滝から流れる大野川(おおのがわ)の水は、田畑を潤し、人々の農業や暮らしに欠かせない存在だったのです。

また、この滝は天然の要害(ようがい)としての役割も果たし、
洪水の勢いを和らげる場所として、自然の防災装置のような存在だったとも伝えられています。

ただの景勝地ではなく、
人と自然が共に生きてきた証が、ここには残されています。

滝は神が宿る場所――原尻に残る信仰と伝承

日本では古くから、滝は神が宿る場所と考えられてきました。
原尻の滝も例外ではなく、激しく流れ落ちる水の姿に、人々は畏敬(いけい)の念を抱いてきました。

横から望む原尻の滝。水量の多さと豊後大野の山々を背景に、古くから神聖視されてきた滝の姿が伝わる

この地には

  • 水の神が住む
  • 滝に祈ることで五穀豊穣(ごこくほうじょう)がもたらされる
  • 滝を荒らすと災いが起こる

といった言い伝えが残っています。

実際、滝の近くには原尻の滝不動尊(ふどうそん)が祀られ、
今もなお、自然への感謝と祈りの場所として大切に守られています。

体感する絶景――原尻の滝の楽しみ方

原尻の滝の魅力は、「見る」だけでは終わりません。

滝の近くまで下りて撮影した原尻の滝。広い空の下、流れ落ちる水の迫力と音が今にも伝わってきそうな体感できる絶景

滝の下まで降りることができ、
目の前で轟音(ごうおん)を立てて落ちる水を体感する迫力は圧巻。
水しぶきと風を感じながら眺める景色は、写真では伝えきれない感動があります。

春は新緑、夏は清涼感、秋は紅葉、冬は水量が増す迫力の景観。
さらに、滝の周辺には吊り橋(つりばし)や遊歩道も整備され、
どの季節に訪れても違った表情を楽しめます。

初めてでも安心|基本情報・アクセス

店舗名原尻の滝(はらじりのたき)
住所大分県豊後大野市緒方町(おがたまち)原尻410(MAP
アクセスJR豊肥本線「緒方駅」から車で約5分
大分市内から車で約1時間
電話番号0974-42-4140(道の駅 原尻の滝)
営業時間見学自由(終日開放)
定休日なし(年中見学可)
駐車場道の駅「原尻の滝」に駐車場あり(無料)

記事まとめ――一度は立ち寄りたい、大地と水の交差点

原尻の滝は、
火山が生んだ大地の力、
人々の暮らしを支えた水の恵み、
そして神への祈りが重なり合う場所です。

「ただの滝」では終わらない、
見て・感じて・記憶に残る絶景が、ここにはあります。

大分を訪れたなら、
いや、九州を旅するなら――
絶対に立ち寄りたい場所のひとつです。

紹介文

大地が裂け、水が踊る。
原尻の滝は、自然の力と人の歴史が交差する特別な場所です。
目の前に広がる圧倒的な景色と、古くから語り継がれる物語が、
訪れる人の心に深く刻まれます。

詳しい情報はこちら

▼原尻の滝 公式観光情報(豊後大野市)▼
https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4500

▼道の駅 原尻の滝 公式サイト▼
https://www.michinoeki-harajiri.jp/

▼大分県観光情報公式サイト▼
https://www.visit-oita.jp/

▼日本政府観光局(JNTO)公式観光ガイド▼
https://www.japan.travel/ja/spot/694/

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